前回のあらすじ
ようやく古帛紗を買った茶道初心者。
正絹の古帛紗を購入するも、「名物裂」という表記が気になる。
何を意味するのだろうか…!?
ネット調べの浅いものだけど、せっかく正絹の古帛紗を買ったんだから、疑問を解消すべく、私なりにちょっとだけ深堀り隊。
誰かに質問したわけでもないので、違ったら教えて欲しい。
名物裂とは
高級絹織物の総称のこと
布物は、主に二つに分かれる。
人絹(化繊)か、正絹か。
古帛紗の金額で言えば、人絹は1000円以内、正絹は、2000円〜10,000円前後のものも。
※絹は、家庭での洗濯は出来ない。
名物裂(めいぶつぎれ)とは。
鎌倉時代から江戸時代初期にかけて主として中国(宋、元)から 渡来した高級絹織物の総称だそう。
名物裂とは、室町時代を中心に鎌倉時代から江戸時代初頭にかけて舶載された染織品の中で、大名家や社寺などに所蔵されてきた極上の裂類、名物茶器の袋や仕覆として、また掛幅の表装裂として特別に名のあるものや、特に珍重されてきた裂類のことです。
これら名物裂は中国の元・明・清代に織製された金襴・緞子・間道・錦類で、その他西アジアや東南アジアの珍しい金入りの織物や嶋裂、あるいは更紗なども多少含まれています。
スズキ時代裂研究所-カテゴリー名物裂:
名物裂の読み方
まず、無知が今更知ったことは、「裂」と書いて、「きれ」と読むということ。
普段言う「布きれ」の「きれ」こそが、「裂」だった…!?
macの漢字変換「裂」は、「さく・さける・破れる」とあるし、
布が「裂ける」は「裂」を使う。
裂ける意味での動詞だと思っていた。
名物裂の【種類】と【文様】
【種類】
・金襴・銀襴
・緞子(ドンス)
・錦
・天鵞絨(ビロード)
【文様】
・植物文様
・動物文様
・天象文様
・幾何学文様
などなど…
よく耳にするものを抜粋してみた。
私が購入した古帛紗は、
布もの > 正絹> 名物裂 > (種類?) 、 植物文様
ということか。
名物裂について、参考にしたサイトとページ
どうか、これらのサイトをご覧あれ!
きっと「なんか見たことある」という裂柄があることだろう。
そういえば、と持っていた巾着見たら、有栖川鹿紋だった。
こんなにもたくさんの数の種類や文様、それぞれに名前があることにワクワクする。
時代を超え、今も大切にされているのって、なんだか凄いことだ。
柄のエピソードや縁起の良さも伝わってくるようだ。
▲久しぶりにCanonのエントリー機とレンズで撮影したら、あまりにもビビットな写真具合で驚いた。それでも、そのまま貼っちゃう。
つくづく「茶道は総合芸術」を感じる
時代とともにバリエーション豊富なデザイナーが生まれるこのご時世。
「日本の布地ってなんかデザインに変化が無いというか、似たような雰囲気のものだよなー。
もっと時代に合った洗練された(?)和風柄があってもいいものじゃないかしら。」
などと、無知な現代思考を持っていた私。
古臭い…時代を感じる…種類が増えない…
などと思っていたこれらの生地は、それも当然、日本の長い歴史で、物も技術も大切にされてきたものだった。
逆に言えば、流行が目まぐるしく変化する現代においても、「日本の美」ということで大切にされ今も相変わらず愛されているのは、尊くて凄いことなのだな、とアラサーにしてようやく気付いたのだった。
「茶道は総合芸術」
お稽古を重ねる度にしみじみ思うものだけど。
なんとなく選んだ布ものについても、深めるとどこまでも広がる世界。
布については本当に無知だったので、いい勉強になった。
もちろん、まだまだこれからだけれど、自分で興味を持って知ることの楽しさを感じた道の世界。
こういうことを学び考えながら過ごす休日はいいものだ。